手作りお菓子の食品表示の書き方|ラベルに必要な8つの項目とアレルゲン表示の注意点を解説

食品表示について解説

手作りお菓子の食品表示の書き方|ラベルに必要な項目と注意点を完全解説

手作りお菓子を販売するとき、多くの方が最初に戸惑うのが食品表示ラベルの書き方です。何を書けばいいのか、どこまで必要なのか、間違えたらどうなるのか。この記事では 食品表示法 に基づいた正しいラベルの作り方を、販売初心者にもわかりやすく項目ごとに解説します。

この記事を読んで欲しい人

・手作りお菓子の販売を始めたばかりで、食品表示ラベルの書き方がわからない方
・マルシェやminneでお菓子を販売しているが、表示内容に自信が持てない方
・レンタルキッチンを使って製造しており、製造者情報の正しい書き方を知りたい方

不要なケースもある

食品表示が必要なケース・不要なケースの見分け方

食品表示ラベルはすべての販売に必要なわけではありません。販売形態によって表示義務の有無が変わります。まず「自分の販売スタイルに表示が必要かどうか」を正しく把握することが出発点です。

食品表示が必要なケース

食品表示法では、容器包装に入れた加工食品を販売する場合に表示義務が発生します。お菓子副業で表示が必要になる主なケースは以下の通りです。

個包装して販売する場合 OPP袋や箱に入れて封をした状態で販売する場合は、製造場所がどこであっても食品表示が必要です。マルシェで個包装の焼き菓子を販売する場合も、minneやメルカリShopsでネット販売する場合も同様です。

製造場所以外で販売する場合 自分のキッチンで製造した商品を、別の場所(マルシェ・イベント・ネット)で販売する場合は表示義務があります。

ギフト・通販で発送する場合 梱包して発送する商品にはすべて食品表示が必要です。ネット販売で「手作りだから表示しなくていい」という認識は誤りです。

食品表示が不要なケース

一方、以下のケースでは食品表示の義務が免除または一部省略が認められています。

対面での量り売り・裸売りの場合 包装せずにその場で販売する場合は表示義務の対象外です。たとえばマルシェで袋に入れずに陳列したクッキーをその場で手渡しする販売スタイルは、厳密には表示不要です。ただし顧客の安心のためにアレルゲン情報だけでも伝えることを強くおすすめします。

製造場所と同じ場所で対面販売する場合 製造したキッチンのすぐ隣で対面販売するケースは一部省略が認められていますが、アレルゲン・賞味期限・保存方法は表示が必要です。

容器包装の面積が30㎠以下の場合 非常に小さな包装の場合は原材料名・内容量・製造者情報などを省略できますが、アレルゲン・賞味期限・保存方法は省略できません。

迷ったら表示する

販売形態によって細かい判断が必要になるため、「表示が必要かどうか迷う場合は表示する」という考え方が最も安全です。表示をしても罰則はありませんが、必要な表示を省略した場合は食品表示法違反となり罰則の対象になります。不明な点は管轄の保健所に確認しましょう。


  • 食品表示の義務は販売形態によって異なり、個包装して販売する場合はすべて表示が必要です
  • マルシェ・ネット販売・ギフト発送など、製造場所以外での販売には必ず食品表示ラベルが必要です
  • 包装せずに対面で量り売りする場合は表示義務の対象外ですが、アレルゲン情報の提供は強く推奨されます
  • 容器包装の面積が30㎠以下の場合は一部項目の省略が認められますが、アレルゲン・賞味期限・保存方法は省略できません
  • 表示の要否に迷う場合は表示する側に倒し、不明点は管轄の保健所に確認することが最も安全です
Point of View
記載が必要な項目をcheck

食品表示ラベルに必要な8つの項目と書き方

食品表示が必要だとわかったら、次は実際に何を書くかです。加工食品として販売する手作りお菓子には、食品表示法で定められた8つの項目を正しく記載する必要があります。項目ごとに書き方のルールが異なるため、ひとつずつ確認していきましょう。

8つの必須項目

① 名称 商品の内容を表す一般的な名称を記載します。ここで注意したいのは商品名ではなく一般名称を書くという点です。「ハロウィンクッキー」という商品名をそのまま書くのは不適切で、「焼き菓子」や「クッキー」と記載するのが正しい書き方です。商品名は枠外に別途記載できます。

② 原材料名 使用したすべての原材料を重量の多い順に記載します。複数の原材料からなる複合原材料(バター・チョコレートなど)は、その名称の後に括弧書きで内訳を記載します。また2022年4月以降、重量割合第1位の原材料については原料原産地の表示が義務付けられています。

③ 添加物 ベーキングパウダー(膨張剤)・バニラエッセンス(香料)など、添加物は原材料とは区別して記載します。原材料名欄にスラッシュで区切って記載するか、別欄を設けて記載する2つの方法が認められています。

④ 内容量 グラム数または個数を正確に記載します。詰め合わせの場合は総重量または個数を記載します。

⑤ 賞味期限または消費期限 品質が保たれる期限を記載します。焼き菓子・クッキーなど常温保存できるものは賞味期限、生クリームを使った生菓子など傷みやすいものは消費期限の表示が適切です。年月日の順で記載します。

⑥ 保存方法 「直射日光・高温多湿を避けて保存してください」など、適切な保存方法を具体的に記載します。冷蔵・冷凍が必要な商品はその旨を明記します。

⑦ 製造者の氏名・住所 販売者の氏名と住所を記載します。屋号やショップ名のみの記載は不可で、個人の氏名の記載が必要です。レンタルキッチンを使用する場合の住所の書き方については次のセクションで詳しく解説します。

⑧ 栄養成分表示 熱量・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量の5項目を表示します。小規模事業者でも原則として表示義務がありますが、表示が著しく困難な場合は省略できるケースもあります。不明な点は保健所に確認しましょう。

表示ラベルのレイアウトルール

項目を書く際には以下のレイアウトルールも守る必要があります。

  • 文字サイズは原則8ポイント以上(容器面積150㎠以下の場合は5.5ポイント以上)
  • 文字色と背景色は対照的な色にする(白地に黒など)
  • 手書きは不可、プリンターでの印刷が原則
  • 外から容易に見える場所に貼付する

  • 食品表示ラベルには名称・原材料名・添加物・内容量・賞味期限・保存方法・製造者情報・栄養成分表示の8項目が必要です
  • 名称欄には「ハロウィンクッキー」などの商品名ではなく「焼き菓子」などの一般的名称を記載します
  • 原材料名は重量の多い順に記載し、2022年4月以降は重量第1位の原材料に原料原産地の表示が義務付けられています
  • ベーキングパウダーや香料などの添加物は原材料と区別して記載する必要があります
  • 食品表示ラベルの文字は原則8ポイント以上で、手書きは不可・プリンターでの印刷が必要です
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抜け漏れしやすいポイント

アレルゲン表示の正しい書き方と見落としやすいポイント

食品表示の中でも特に注意が必要なのがアレルゲン表示です。アレルギーを持つ方にとって、アレルゲン表示は文字通り命に関わる情報です。表示漏れは食品表示法違反になるだけでなく、お客さんに深刻な健康被害を与えるリスクがあります。正しい知識を持って対応しましょう。

特定原材料8品目は必須表示

日本の食品表示法では、特に重篤なアレルギー症状を引き起こす可能性がある8品目を「特定原材料」として定め、表示を義務付けています。

特定原材料8品目(必須表示) 小麦・卵・乳・えび・かに・そば・落花生・くるみ

手作りお菓子・焼き菓子・パンを販売する場合、小麦・卵・乳製品はほぼ必ず使用するため、これらのアレルゲン表示は最優先で確認が必要です。2023年からくるみが特定原材料に追加されたため、くるみを使用する商品は必ず表示しましょう。

特定原材料に準ずる20品目は推奨表示

特定原材料8品目のほかに、アレルギーを引き起こす可能性がある20品目が「特定原材料に準ずるもの」として定められています。こちらは法律上の義務ではありませんが、可能な限り表示することが強く推奨されています。

代表的なものとして、アーモンド・カシューナッツ・ごま・大豆・バナナ・りんご・キウイフルーツ・もも・やまいも・牛肉・豚肉・鶏肉・さけ・さば・いか・あわびなどが含まれます。焼き菓子でよく使うアーモンドや大豆(大豆油・レシチンなど)は特に見落とされやすいため注意が必要です。

見落としやすいアレルゲンのポイント

複合原材料に含まれるアレルゲン チョコレート・バター・生クリームなどの複合原材料には複数のアレルゲンが含まれています。原材料として「チョコレート」と書くだけでは不十分で、チョコレートに含まれる乳・大豆などのアレルゲンも表示が必要です。仕入れ先から製品規格書を入手して、原材料に含まれるアレルゲンを正確に把握しましょう。

添加物に含まれるアレルゲン ベーキングパウダーには小麦・とうもろこしが含まれることがあります。香料・乳化剤なども原材料によってアレルゲンを含む場合があるため、使用する添加物の成分を必ず確認します。

製造環境による混入リスク 同じキッチンで複数の商品を製造する場合、アレルゲンが意図せず混入する可能性があります。この場合「本製品はくるみを使用した製品と同じ設備で製造しています」などの注意喚起表示を添えることが推奨されます。

アレルゲン表示の具体的な書き方

アレルゲンの表示方法には2つのパターンがあります。

個別表示:各原材料の後に括弧書きで「(小麦を含む)」と記載する方法 一括表示:原材料をすべて記載した後に「(一部に小麦・卵・乳成分を含む)」とまとめて記載する方法

どちらの方法でも法律上は問題ありませんが、読み手にとってわかりやすい個別表示の方が親切です。


  • 特定原材料8品目(小麦・卵・乳・えび・かに・そば・落花生・くるみ)は法律で表示が義務付けられています
  • 2023年からくるみが特定原材料に追加されたため、くるみを使用する商品は必ず表示しましょう
  • チョコレートやバターなどの複合原材料に含まれるアレルゲンも表示が必要なため、製品規格書で成分を確認することが重要です
  • 添加物に含まれるアレルゲンも見落としやすいため、使用するすべての添加物の成分を確認する習慣をつけましょう
  • 同じ設備で異なるアレルゲンを含む商品を製造する場合は、混入リスクを伝える注意喚起表示を添えることが推奨されます
Point of View
レンタルやシェアの場合はどう記載するか

レンタルキッチン利用時の製造者情報の書き方

食品表示の中で、レンタルキッチンを使って製造している方が特に迷いやすいのが製造者情報の書き方です。自宅キッチンで製造する場合と異なり、レンタルキッチンを利用する場合には住所の記載に注意が必要です。正しく理解しておかないと表示法違反になるリスクがあるため、しっかり確認しておきましょう。

製造者情報に必要な2つの要素

食品表示ラベルの製造者情報には以下の2つを記載します。

① 氏名 個人の氏名を記載します。屋号やショップ名のみの記載は食品表示法上認められていません。「〇〇スイーツ」などのショップ名だけでは不可で、必ず個人の氏名を記載する必要があります。ショップ名を併記したい場合は「山田花子(〇〇スイーツ)」のように氏名を主として記載します。

② 住所 製造した場所の住所を記載します。ここがレンタルキッチン利用者が最も迷うポイントです。

レンタルキッチン利用時の住所の書き方

製造者情報の住所は、商品を製造した場所の住所を記載するのが原則です。レンタルキッチンで製造した場合は、レンタルキッチンの住所を製造所として記載するケースが一般的です。

ただし記載方法にはいくつかのパターンがあります。

パターンA|製造所をレンタルキッチンの住所にする 製造所:愛知県高浜市〇〇町〇〇番地(レンタルキッチンの住所) 販売者:山田花子

製造場所と販売者が異なる場合、製造所と販売者を分けて記載する方法です。

パターンB|製造者として自分の住所を記載する 自分の氏名と自宅住所を製造者として記載するパターンです。ただしこの場合、実際の製造場所はレンタルキッチンであるため、食品事故が発生した際の責任の所在が曖昧になるリスクがあります。

どちらのパターンが適切かは保健所に確認する 記載方法の判断は管轄の保健所によって見解が異なる場合があります。レンタルキッチンを利用して販売を始める前に、管轄の保健所に確認することを強くおすすめします。またレンタルキッチンの運営者にも事前に相談し、製造所としての住所使用の許可を得ておくことが重要です。

製造所固定番号の活用

自宅住所をラベルに記載することに抵抗がある方のために、製造所固定番号という制度があります。これは製造所の住所の代わりに、消費者庁に登録した番号を記載できる制度です。プライバシーを守りながら表示義務を果たせるため、個人での販売活動に向いています。ただし事前に消費者庁への登録が必要です。


  • 食品表示ラベルの製造者情報には屋号やショップ名ではなく、必ず個人の氏名を記載する必要があります
  • レンタルキッチンで製造した場合は製造所としてレンタルキッチンの住所を記載するケースが一般的です
  • 製造所の住所記載方法は管轄の保健所によって見解が異なるため、販売開始前に必ず保健所に確認しましょう
  • レンタルキッチンの住所を製造所として使用する場合は、事前にキッチン運営者の許可を得ることが重要です
  • 自宅住所の公開に抵抗がある場合は、消費者庁への登録が必要な製造所固定番号の活用が選択肢になります
Point of View
実際の作成方法

食品表示ラベルの作り方と実務的な運用のコツ

必要な項目と書き方が理解できたら、最後は実際にラベルを作って運用する段階です。食品表示ラベルは一度作れば終わりではなく、商品や販売状況の変化に合わせて更新していく必要があります。初心者でも無理なく続けられる実務的な作り方と運用方法を整理します。

ラベルの作り方3つの選択肢

① 自宅プリンターで自作する WordやExcelなどで表示内容を作成し、市販のラベルシールに印刷する方法です。初期費用が低く、内容の変更も自分で対応できるため、副業初心者に最も向いています。ラベルシールはA4サイズのものが汎用性が高くおすすめです。

② ラベルプリンターを使う ブラザーのP-touchやPhomemoなどのラベルプリンターを使う方法です。必要な枚数だけその場で印刷でき、賞味期限など日付が変わる項目の更新が手軽にできます。販売頻度が高くなってきたタイミングで導入を検討するとよいでしょう。本体価格は5,000〜15,000円程度が一般的です。

③ 外注する 印刷会社やネットプリントサービスに依頼する方法です。デザイン性の高いラベルが作れる反面、内容変更のたびに費用と時間がかかります。商品ラインナップと表示内容が固まってから検討するのが現実的です。

ラベル作成時の実務的なポイント

原材料リストを事前に整理する 使用するすべての原材料と添加物をリスト化し、それぞれのアレルゲン情報を記載した一覧表を作っておきましょう。この一覧表があれば新商品のラベル作成や内容変更の際に作業がスムーズになります。

賞味期限の設定方法 賞味期限は科学的根拠に基づいて設定する必要があります。副業初心者の場合、同種の既製品の賞味期限を参考にしつつ、保存状態を考慮して短めに設定する方法が現実的です。不安な場合は保健所に相談しましょう。

商品ごとにテンプレートを用意する 販売する商品ごとにラベルのテンプレートを作っておくと、毎回の作業が大幅に効率化されます。賞味期限など変更が必要な項目だけを差し替えれば済むよう、テンプレートを設計しておきましょう。

表示内容の見直しタイミング

一度作ったラベルもこのような場合は必ず見直しが必要です。

  • レシピを変更して原材料が変わったとき
  • 仕入れ先を変更して原産地が変わったとき
  • 食品表示法の改正があったとき
  • 販売場所や販売形態が変わったとき

古いラベルをそのまま使い続けることは表示法違反につながるリスクがあります。定期的に内容を確認する習慣をつけましょう。


  • 食品表示ラベルは自宅プリンターで自作するのが副業初心者には最もコストを抑えやすい方法です
  • 販売頻度が高くなったらラベルプリンターの導入を検討し、賞味期限など日付の更新を効率化しましょう
  • 使用するすべての原材料とアレルゲン情報をまとめた一覧表を事前に作っておくと、ラベル作成の作業が効率化されます
  • 商品ごとにラベルのテンプレートを用意し、変更が必要な項目だけを差し替えられる運用体制を整えましょう
  • レシピ変更・仕入れ先変更・法改正があった際は必ずラベルの内容を見直し、古い表示のまま販売しないよう注意しましょう
Point of View

食品表示は一度正しく作ってしまえば、あとは更新するだけです。「自分のラベルが正しいか不安」という方は、製造場所のことも含めてお気軽にお問い合わせください。菓子製造業許可を取得済みのレンタルキッチンで、表示に自信を持って販売をスタートできます。

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編集後記

食品表示ラベルを初めて作るとき、その複雑さに途方に暮れる方をこのスペースで何人も見てきました。でも一度正しく作ってしまえば、次からはテンプレートを更新するだけです。最初の一枚が一番大変です。丁寧に作ったラベルは、あなたのお菓子への誠実さをお客さんに伝えてくれます。手間をかける価値は必ずあります。

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